企業がインターネット上で配信する動画広告を制作する際には1点、非常に気をつけなければいけないことがあります。
それは動画の「ファイル形式」です。
専門用語では『拡張子』と言い、さまざまな種類があります。
これから動画を作りたいと考えている経営者の方々のなかには、
- 拡張子とはどんなものなのか？
- どんな拡張子があるの？
とお思いの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
適切な拡張子を選択しないと画質や音質が悪くなったり、サイト上で再生できない可能性もあります。
そこでこの記事では、
- 拡張子を知るための前提としての動画ファイル形式の概要
- 拡張子の種類と特徴
についてご紹介していきます。
Contents
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動画の仕組み
拡張子を解説する前に、拡張子の理解の手助けになる「動画の仕組み」について解説します。
まずは下記3種類の専門用語についてです。
コンテナ：動画の形式
動画は、映像と音声それぞれ別のファイルで構成されます。これを1つのファイルにまとめたものを「コンテナ」と言います。
コンテナ（ファイル形式）には「AVI」「MP4」「FLV」など、さまざまな種類があります。
エンコード：動画を圧縮する行為
動画は1つ1つの静止画をつなげて、それらを瞬時に切り替えていくことで構成されているパラパラ漫画のようなものです。
1つ1つの静止画自体が本来は別個のファイルなのですが、そのまま別個に保存すると膨大な量になるので圧縮する必要があります。
この圧縮する行為を『エンコード』と言います。
コーデック：動画を圧縮する技術
圧縮する行為が『エンコード』で、圧縮するために使われている技術が『コーデック』です。
このコーデックには
- H.264…高画質動画用
- MPEG-2 …テレビのデジタル放送用
- MPEG-4…モバイル用
などがあり、動画のコンテナ（形式）別にどのコーデックを使うがか変わり、適切なコーデックを選ばないとエンコード（圧縮）できないということにもなり得ます。
このコーデックによってエンコードされたコンテナに『拡張子』が含まれています。
拡張子とはファイルの種類を識別する符号
ここまで動画の仕組みを解説しましたが、拡張子とは、動画のファイルを識別する符号のことです。
wordで保存されたファイルの末尾には「.doc」や「.docx」などとついているのはみなさまもご存知でしょうが、これが拡張子で、動画では例えばAVI形式の動画ファイルを保存するとファイル名の末尾に「.avi」とつきます。
拡張子の種類によって、どのソフトで動画が立ち上がるか、どのサイトで配信できるかが変わってきます。
各拡張子の違いと特徴
では、動画の拡張子にはどんなものがあるのでしょうか？
ここからは動画制作でよく使われる、代表的な拡張子をコンテナと照らし合わせてご紹介します！
MP4（.mp4）
スマホ、家電、PCまでさまざまなデバイスに対応している拡張子で、高画質で手軽にエンコードできることから現在、大人気となっています。
Apple社が開発したもので、MacはもちろんのことWindowsでも標準的に使われており、この形式でエンコードしておけば、まず再生できないデバイスは存在しないといわれています。
| 使用できる代表的な映像コーデック | 使用できる代表的な音声コーデック |
| H.264・Xvid・Divx・MPEG-4 | AAC・MP3・Voribis・AC-3 |
AVI（.avi）
AVI（.avi）はMicrosoftで標準的に使われている拡張子です。
昔から使われている拡張子であるため、いろんなPC環境やソフトと互換性があり、用途が広いのが特徴です。
Windowsでの動画編集に慣れ親しんでいるユーザーはこの拡張子を使うことも多いです。
| 使用できる代表的な映像コーデック | 使用できる代表的な音声コーデック |
| H.264・Xvid・Divx・MPEG-4 | AAC・MP3・LPCM |
MOV（.mov）
AVI（.avi）がWindows用の動画形式であるなら、MOV（.mov）はMac用の動画形式です。
Appleが開発したMacに標準搭載されている形式で、Mac上で動画編集や再生をする場合はMOVは非常に快適に動作します。
もしWindowsでMOV(.mov）を再生したい場合は、QuickTime Playerを使いましょう。
| 使用できる代表的な映像コーデック | 使用できる代表的な音声コーデック |
| H.264・MJEG・MPEG-4 | AAC・MP3・LPCM |
WMV（.wmv）
WMV(.wmv）は「Windows Media Video」の略です。
「Yahoo!動画」などで使われている形式で、インターネット上でのストリーミング再生のために作られています。
WMV(.wmv）に特徴的なのはコピーガード機能が付いていること。
自社の動画の著作権を守りたい場合はこの形式にして、「Yahoo!動画」などの動画サイトで配信してもらうようにしましょう。
| 使用できる代表的な映像コーデック | 使用できる代表的な音声コーデック |
| WMV9 | WMA・MP3・AAC |
FLV(.flv、.f4v）
FLV(.flv、.f4v）はPremirere ProなどをリリースしているAdobeが作った拡張子で、YouTubeやニコニコ動画での配信に向いています。
ストリーミング配信をする際も非常に便利でどんなOSやブラウザでも再生ができるため、動画配信や再生のストレスがないため、今、急速に広まっています。
.f4vは.flvの後継の拡張子です。
| 使用できる代表的な映像コーデック | 使用できる代表的な音声コーデック |
| VP6・H.263・H.264 | MP3・AAC・ADPCM |
VOB(.vob）
DVDで使われている動画ファイル形式です。
DVDドライブでの再生を前提として作られているため、この拡張子のついた動画は、DVDドライブ付きのPCでしか見ることができません。
| 使用できる代表的な映像コーデック | 使用できる代表的な音声コーデック |
| MPEG-2・MPEG-1 | PCM・AC3・MP2 |
WebM(.webm）
WebM(.webm）は、Googleが開発した動画形式で、主にGoogle Chromeでの再生に向いています。
ウェブ上での動画配信と再生に利用しやすく、ファイルも軽くなり画質や音質も高いため、Google Chrome愛用者からの人気が高いです。
| 使用できる代表的な映像コーデック | 使用できる代表的な音声コーデック |
| VP9・VP8 | Vorbis |
まとめ
動画の技術的な構造の仕組みと拡張子について紹介しましたが、いかがでしたでしょうか？
動画を制作・配信する際には、拡張子に気をつけないと画質や音質が落ちたり配信先で再生されない…という事態にも陥りかねません。
そんな事態を防ぐには、自社動画の配信を考えている媒体が推奨する動画の形式をあらかじめ知っておくことです。
出稿を考えている媒体のスタッフによくヒアリングし、自社の動画が最もハイパフォーマンスを発揮できる拡張子を選びましょう！
