動画マーケティングレポート

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心理効果を使い注意を引きつけるための動画コンテンツとは

執筆者

認定心理士マーケター

村田芳実

マーケターならターゲットの注意を引きつけるコンテンツを制作したいものです。

実は、それに使える「カクテルパーティ効果」という心理理論があります。雑音が多い中であるにもかかわらず、自分の興味がある発言については、無意識に注意を向けます。この現象が「カクテルパーティ効果」です。カクテルパーティ効果についてのweb記事がありますが、注意には、ボトムアップ型とトップダウン型があり、この両者を動画マーケティングに応用しようという動きは見られません。そこで、アニメ動画マーケティングに活用するメリットについて検討していきましょう。

 

【カクテルパーティ効果とは】

カクテルパーティ効果は、イギリスの心理学者コリン・チェリーが提唱しました。私たちは、必要とする情報を無意識に選択しており、選択的注意とも呼ばれています。

チェリーによる実験では、被験者は左右の耳に別々のメッセージを聞かされ、どちらか一方だけに注意を払うように指示されました。この実験の結果、被験者は、注意を払っているメッセージからは情報を得ていたが、注意を払っていない方のメッセージからはほとんど情報を得ていないということを発見しました。

 

【ボトムアップ型注意】

チェリーによる実験では、聴覚メッセージに対する情報処理についてでしたが、視覚情報や文字情報についても同様の選択的注意が起こることがわかりました。

例えば、図のように多数の青い●の中に赤い●が一つある場合、に注意が集中します。また、複数の図柄の中で一つだけ周囲の図柄と違う場合や、突然図柄がフェードインやスライドインしてきた場合など外部の刺激に対して注意を向ける外発的・ボトムアップ型注意があり、その刺激に対して言わば強制的に注意を向けられます。

 

【トップダウン型注意】

ボトムアップ型注意に対して、内発的・トップダウン型注意があります。次の図は、与えられた刺激・情報に対して事前知識(記憶)がある場合、その刺激に注意・注目し、事前知識がなければ、スルーされてしまうというモデルです。

トップダウン型の注目すべきところは、与えた情報・刺激に興味のある人について、その情報に注目させる効果があるということです。例えば、「撮り鉄」と言われる鉄道マニアに対して、レアな車両の運行予定の情報を与えれば、注目せざるを得なくなります。

 

 

【ボトムアップ型注意を引きだす】

ボトムアップ型注意を促進するテクニックはすでに実施されています。例えば、文章の中で強調したい部分については、マーカーを使うことや、文字のフォントを大きくしたり、色を変えたりしています。また、問い合わせボタンですが、フェードインするタイプがその例です。

 

動画には視覚と聴覚の双方の情報を提供できるという特長があります。従来のwebコンテンツであれば、視覚情報(文章と写真やグラフ)のみで、ターゲットに訴求していましたが、動画では、視覚情報に加えて聴覚情報(ナレーション、効果音、BGM)も使うことができるのです。つまり、注意を向けてもらえるチャンスが広がるということです。しかも、画像が動くわけですから、ボトムアップ型注意のためには、動画コンテンツが優れているということになります。

 

【トップダウン型注意を引きだす】

それに加えて、トップダウン型注意に関しては、従来のコンテンツであれば、視覚記憶を活性化できるのみですが、動画コンテンツでは、視覚記憶に加えて聴覚記憶も活性化できます。動画にはトップダウン型注意を引きだすチャンスも大きいということになります。

 

トップダウン型注意を引きだす方策としては、前述のように、事前知識を利用することです。こういうと難しそうですが、そのようなことはありません。ターゲットが興味を持っているキーワードやビジュアルを使用すべきだということです。私も、かつてはBtoB企業で、顧客業界の課題解決のため活動していましたが、業界に刺さるキーワードやビジュアルを使用していました。

動画視聴を途中で中止することを防止のためには、BGMの変化や映像場面の変化などボトムアップ型注意を使用することになります。

 

【アニメ動画の特長】

アニメ動画においては、急に主人公が出現させることや変身させることができるなど様々なテクニックを使い注目させることができます。アニメーションには、実写動画にできない表現ができることがあげられます。空を飛び、深海に潜り、火星やブラックホールにも行け、過去や未来にも行け、時には魔法も使えるのです。ボトムアップ型注意の応用は無尽蔵です。

 

また、ドラゴンクエストですが、テレビからドラゴンクエストの曲が流れれば、聴覚記憶が活性化して注意を向けることになります。また、ドラゴンクエストの画面が現れれば、視覚記憶が活性化して、様々な想いが頭の中を駆け巡ります。トップダウン型注意です。

 

ドラゴンクエストをした時のワクワク感やドキドキ感は、記憶としてストックされています。そして、ドラゴンクエストの曲や映像という刺激で記憶が蘇るのです。また、鬼滅の刃の「全集中」「○○の呼吸」は流行語になり日本全国で使われるようになりました。今やマンガ・アニメ・ゲームが日本文化といわれており、多くの国民の間で、アニメや漫画が共通知識として定着しています。それだけに、トップダウン型注意が働きやすい環境が整っているということになります。

【株式会社YONOHI広報スタッフより】

※株式会社YONOHIでは、以前アニメ動画制作にて「ドラゴンクエスト」テイストの動画を制作したことがあります。

 

このような動画を作りたい場合、問い合わせフォームよりご相談ください。

【まとめ】

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

注意を促す心理理論に「カクテルパーティ効果」があり、さらに注意にはボトムアップ型とトップダウン型があることを説明して、それを活用する方法を検討してきました。注意を引くためには動画、特にアニメが効果的だということになりました。

以前は、アニメ動画というと、膨大なコストが必要でしたが、最近ではコストダウンも進んでおり、アニメ動画を使う環境が整ってきたようです。

 

 

【執筆者プロフィール】

日本心理学会認定心理士・マーケター。一部上場の機械メーカーで、ユーザー会の立て直し、ブランディング、顧客満足のミッションを受け、心理学を応用することでミッションをクリア。『心理学と統計分析が最強の武器になるマーケティング戦略https://amzn.to/3ghFw3A』の執筆者

 

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