動画マーケティングレポート

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売れる仕組みづくりとKPIのための現状把握 売上げアップの方程式を導き出す回帰分析

執筆者
認定心理士マーケター
村田芳実

訪問数+SEO順位+SNS数+動画再生数=売上

マーケティングの目的は売れる仕組みづくりにあります。また、成果主義やKPI(重要業績評価指標)はマーケターの共通の悩みになっています。そのためには現状を数値で把握する必要があります。統計の回帰分析を使用して、売上げの方程式を導き出すことで、売上げアップの仕組みとKPIを明確にする方法を開発しましたので解説します。

【マーケティングを取り巻く環境の変化】

以前勤務した会社も成果主義に変更しましたが、マーケターの私は、何をすべきかわかりませんでした。また、営業部門でのKPIは売上げに直結しますので高く評価されますが、マーケティング部門の売上げへの貢献度を導き出すことは困難で、低評価に甘んじるしかありませんでした。KPIはマーケター共通の悩みだと思います。

これに対して、統計分析を使えば、マーケティング施策の効果を測定することができますが、マーケターも経営者もその事実を認識していないのが現実です。また、それを認識していたとしても、統計分析は特殊な知識を必要とし、外注化すれば莫大な費用を必要とすることになり、統計分析の導入は現実的ではありませんでした。

そこで、エクセルの分析ツールに着目し、売上げの方程式作成法を開発しました。

 

【独立変数と従属変数】

この方程式の右辺の各項目を統計学では従属変数、左辺を独立変数と呼んでいます。この方程式は、原因としての独立変数があって、結果としての従属変数があるという因果関係を表しています。独立変数によって、従属変数である売上げが決まるということです。

【回帰分析とは】

回帰分析はPOSシステムや店舗政策・価格政策の分析に使われるなどマーケティングにも導入される信頼性の高い分析法です。独立変数と従属変数の関係を方程式化する方法が統計分析の「回帰分析」です。回帰分析を使用すれば、「A×営業訪問数+B×SEO検索順位+C×SNS閲覧数+D×動画再生数+E =売上」という方程式の定数(A~D)と切片(E)の数値を求めることができます。定数が大きい独立変数ほど売上を増加させることにつながりますので、これを集めた結果が個社の売上げアップの仕組みであり、KPIの基礎になるということです。

 

【Google アナリティクスのコンバージョンとの違い】

なお、Google アナリティクスにはコンバージョンを求める仕組みがあります。資料のダウンロードや動画の視聴、会員登録などのコンバージョンを設定します。すると、web広告などの流入先がわかる仕組みとなっています。「回帰分析」との違いは、売上を目標にはできないなどコンバージョンの範囲が制限的であることです。

 

【回帰分析の方法】

エクセルに図のようなデータ表を作ります。
このデータはダミーです。
スキルを獲得するためには体験することが重要です。
このエクセルデータを進呈いたします。
取得方法は後述いたします。

「データ」をクリックし、「データ分析」をクリック

「回帰分析」選び「OK」をクリック。

「入力Y範囲」にF2~F27(ピンクの部分)をドラッグ。

「入力X範囲」にB2~E27(青い部分)をドラッグ。

OKをクリックすると、次のような表が出てきます。
ポイントは、黄色で示したA18~A21のX値1~4ですが、次のことを表しています。

 

X値1:訪問数
X値2:SEO順位
X値3:SNS数
X値4:再生数

それぞれの係数は
訪問数=0.248
SEO順位=-0.178
SNS数=0.136
再生数=0.831

 

したがって、方程式は次のようになります。
訪問数×0.248+SEO順位×-0.178+SNS数×0.136+再生数×0.831+1.801=売上

 

ちなみに、SEOの数値には「-」(マイナス)の符号がついています。数値が小さい(順位が上位)であるほど売上が上がる(負の相関がある)ことを示しています。
次に、「概要」の3カ所に注目してください。次の表の基準内にあれば、統計的にもこの方程式は有効です。

※論文では0.05が推奨ですが、マーケティングにおいては、もっと緩く0.1や0.2など設定して良いと思います。NGの確率が1割や2割なら許諾できるでしょう。

 

補正R2は0.797で0.6以上となっており、有意Fは8.32E-08で0.05以下ですので、相関の強さも再現性も問題ありません。8.32E-08との表記ですが、この意味は「8.32×0.00000001(0が8個)」ということで、限りなく「0」に近いと覚えておきましょう。

しかし、P-値を見ると、SEO順位とSNS数は0.5以上となっており、再現しない確率が5割以上と大きくなっているので採用しない方が良いということです。

 

この結果から、わかることは、動画再生数と訪問数は定数が高く信頼できるので、動画再生数と訪問量を多くすることが売上げアップに貢献するということになります。

具体的には、訪問数を10回多くすれば売上げは3アップします。また、動画の再生数で売上げを月の売上げを100アップさせたいなら、「100=30×(0.832×X)」ということで、X=4.01という解が得られますので、1日当たり4回以上動画再生数を多くすればよいということになります。

 

【独立変数の選択】

例では、独立変数を4つにして分析法を紹介しました。独立変数には次の表のようなものが考えられます。できる限り多くの独立変数をかき集めてデータを作成して、分析することがおすすめです。

この例では、独立変数は19個になりますが、手順は同じです。P-値が0.05以下の独立変数をピックアップしていけば、目標項目と目標数値(KPI)が明確になります。

 

【元データご希望の方】

元データを進呈しますので、分析作業を体験してください。これを使えば実際の分析を体験することができ、経験すれば、回帰分析のスキルが身に着くことになると思います。下記リンクからデータをダウンロードしてください。。

元データダウンロードはこちら

【まとめ】

様々な数値データについて回帰分析すれば、方程式が得られ、何を優先すべきかが明確になります。KPIも明確になり、マーケティング部門の評価もアップすることになるはずです。私も、企業マーケターの時にこの分析法を使用すれば、評価が高かったと思うと残念です。読者の皆さんには、この方法で評価を高めていただきたいと思います。

私は、顧客満足調査分析、ビッグデータ分析、日経平均株価分析、為替変動分析など1日に100回以上、これまでに10,000回以上回帰分析を行ってきた経験があります。慣れれば簡単に分析でき、応用範囲も広いので、是非このスキルを身につけてください。

 

【執筆者プロフィール】

日本心理学会認定心理士・マーケター。一部上場の機械メーカーで、ユーザー会の立て直し、ブランディング、顧客満足のミッションを受け、心理学を応用することでミッションをクリア。『心理学と統計分析が最強の武器になるマーケティング戦略https://amzn.to/3ghFw3A』の執筆者

 

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