売上原価の計算方法を解説!業種によって計算の考え方が変わる

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事業経営を行う上では決算の際に損益計算書というものを作成し、事業の損益を算出するために「売上原価」を把握しておかなければいけません。

また、小売りや飲食などの事業の場合には、扱っている商品が売れる度にどれほどの利益が出るのかを把握しなければ経営管理をすることはできません。

しかし、聞きなれない「売上原価」という言葉に頭を抱える人も少なくありません。

そのため、今回はそもそも”売上原価”とかなにかをはじめ、売上原価の意味合いや算出の仕方についてご紹介していきます。

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売上原価とは商品が売れたときに計上する費用

事業を営む上で「売上原価」を考えずにしっかりとした経営管理を行うことは重要なことであり、売上原価自体を把握しておく必要があります。

それでは、売上原価とはどのようなものかについてご紹介していきます。

売上原価とは

売上原価とは、売れた商品の仕入れや製造にかかった費用のことを指します。

ここでの注意点として、売れた商品にかかる費用のことであり、後程ご紹介する「製造原価」とは少し違いがあります。

そのため、売れていない商品に対しては売上原価の計上はできません。

製造原価との違い

先ほど記述したように売上原価とは別に「製造原価」というものがあります。

製造原価とは、商品を製造するためにかかった費用のことであり、大きく分けると「材料費」、「労務費」、「経費」の3つに分けられます。

材料費とは、商品を製造するためにかかった材料の費用や燃料の費用です。

労務費とは、製品の製造に関わった人への人件費のことであり、主に従業員への給与や賞与、賃金などを指します。

製造費用とは、主に減価償却費や家賃、光熱費などを指し、材料費や労務費とは別の費用のことです。

広い範囲で見たときには売上原価の中に製造原価を含んで算出することもありますが、一般的には販売の面から考えた際の費用を「売上原価」と言い、製造の面から考えた際の費用を「製造原価」と言います。

売上の増加やコストの削減を見直す際にはこの2つに分けて考えることで、より効率的な経営を行うこともできるのです。


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売上原価は納める税金に影響がある


売上原価は自身の事業を把握するだけではなく、支払う税金にも影響を与えてしまいます。

特に法人のような大きい規模で商品を販売する際には計算1つ間違えるだけで本来払うはずの税金を払わずに終わってしまったり、必要以上に税金をしはらうことにもなりかねません。

それでは、売上原価と税金の関係性についてご紹介していきます。

売上原価の計算によって法人税が変わる

売上原価の計算のやり方を間違えてしまえば、損益決算書に記載する原価売り上げに相違が生じてしまい、法人税の支払い額にも影響が出てしまうのです。

仕入れた商品を全て販売しきることができれば売上原価の計算は難しくありませんが、商品販売を行う上では商品が残ってしまう経験をすることがほとんどでしょう。

商品が売れ残ることで売上原価の計算方法が変わり、問題となってしまうケースも少なくありません。

しかし、商品が売れ残った際には、どこからいくらで仕入れた商品がいくらでいくつ売れたのか、どこからいくらで製造した商品がいくらでいくつ売れたのかなどを計算するというのは非常に困難であり、かなりの負担がかかってしまいます

業種によって変わる売上原価の考え方

同じ「売上原価」でも業種によってその考え方が異なり、売上原価ととらえる範囲が異なるのです。

今回は売上原価を多く扱う代表的な業種として「飲食業」、「製造業」、「サービス業」の3つの業種を例に挙げてご紹介していきます。

飲食業

飲食店で商品を提供する際には、1つの商品を提供して売り上げを出すためにもさまざまな食材や調味料があるため、飲食業の場合には1つの商品を完成させる為の材料費が売上原価とされています。

しかし、調理を専門に労働している従業員への給与は商品を完成させる為の費用としてみなされることがあります。

ただし、注文を受けるなどの接客をしている従業員への給与は含まれません。

製造業

製造業では、その名の通り製品を作り上げたり加工をする作業を行います。

しかし、製造業においては工場で作り上げた製品を他の企業へ渡すため、売上原価ではなく製造原価として損益計算書に記載します。

ただし、製品を作り上げる為の製造に直接携わった人件費に関しては売上原価としてみなされます。

また、一般的には工場で作り出したモノを「製品」と呼び、販売されるモノを「商品」と呼ばれて区別されます

サービス業

サービス業に関しては、自社の管理部門の従業員への給与を売上原価として計上することはできず、販売費または一般管理費として計上されます。

しかし、人件費の中でも外注費に関しては売上原価として計上が可能となります。


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売上原価の計算式の具体例


売上原価の考え方についてご紹介したところで、次に売上原価の計算式についてご紹介していきます。

売上原価の計算式

まず初めに、売上原価を算出する時の計算式と計算式に使用する項目についてご紹介しておきます。

売上原価 = 期首商品棚卸高 + 当期商品仕入高 - 期末商品棚卸高

期首商品棚卸高・・・期首時点の在庫
当期商品仕入高・・・期末時点の在庫
期末商品棚卸高・・・当期に仕入れた金額

期末商品棚卸高

上記で記述したように“期末商品棚卸高とは年度末の時点で売れ残っている在庫の金額の総額のことであり、売上原価を計算する際に非常に重要な要素となります。
期末商品棚卸高を算出するにも計算式があり、その式は次の通りです。

期末商品棚卸高 = 期首商品棚卸高 + 当期商品仕入高 - 当期の販売高(原価)

次に、期末商品卸高の簡単な例を挙げていきます。

期首商品棚卸高を100万円、当期商品仕入高を200万円、当期の販売高を150万円としたときには期首商品棚卸高と当期商品仕入高を合わせた300万円から当期の販売高である150万円を引いた150万円が期末商品棚卸高となります。

しかし、在庫を抱えるような事業を行っている企業では、実際の在庫の数と帳簿上の在庫の数に相違が生じてしまうことがあります。

その要因としても、事前にした際の数え間違いや事務処理のミス、紛失や破損などが挙げられます。

そのため、在庫管理を行う上では帳簿上の在庫の数だけを当てにしてしまうのは危険であり、担当者が自身の目で実際の在庫と帳簿上の在庫の数に相違がないかの確認を行う必要があるのです

まとめ

「売上原価」の計算を間違えてしまうと法人税の支払い額にまで影響が出てしまうため、非常に重要な項目となります。

売上原価の相違が生じてしまう要因としては、事前の在庫管理の相違があるため損益計算書を作成する時だけではなく、日ごろから在庫の管理のミスは減らす必要があるのです。

また、在庫の管理は事業を営む上では損益に直結する項目にもなるため、経営戦略の一部とも言えるのです。

業種ごとに売上原価として計上できる範囲が異なるため、事業経営を行う方や事業の責任者として担当している方は、自身の業種の売上原価の計算法や売上原価として計上が出来る範囲をしっかりと把握しておく必要があるのです。

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