決算書の黒三角(▲)は売上はマイナスを示している!ほかの記号も解説

会計に関わっていると、決算書の中で「▲」や「△」の記号を見たことがある人もいると思います。

会計の仕事をはじめたばかりなら、決算書に書かれている記号の意味が分からなくて困るのではないでしょうか

この記事では黒三角(▲)のほか、決算書で目にする可能性がある記号を説明しました。

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黒三角(▲)は売上がマイナスになっていることを示す記号


決算書は全ての企業に作成が義務付けられているので、働いて会計に関われば必ず目にするはずです。

決算書は数字だけ書かれているわけではないので、読み方を理解しましょう。

売上は決算書から確認できる

決算書は正式名称を「財務諸表」といい、企業の財務状態や成績が分かる通信簿のような書類です。

貸借対照表や損益計算書など複数の書類から成り立っていて、全ての企業に作成が義務付けられています。

主な決算書の種類3つ
    1. 貸借対照表

 

    1. 損益計算書

 

    1. キャッシュ・フロー計算書

 

資産、負債、純資産が把握できるのが貸借対照表で、貸借対照表にはバランスシート(B/S)という呼び名があります。

負債と純資産の合計から資産が成り立っているためです。

企業の1年間にわたる収益や費用を把握できるのが、損益計算書です。

その内容は5つの利益に分けられているので、企業の業績を段階的にチェックできる特徴があります。

損益計算書で分かる5つの利益
    1. 売上総利益

 

    1. 営業総利益

 

    1. 経常利益

 

    1. 税引前当期純利益

 

    1. 当期純利益

 

現金の流れが分かる書類がキャッシュフロー・計算書です。

キャッシュフロー・計算書では「どうやって現金を得て」「どこで現金を使ったのか」が把握できます。

たとえば収益が出ているのにもかかわらず現金がない状態は現金の流れに問題があります。キャッシュ・フロー計算書をチェックすれば、現金の増減が把握できるのです。

決算書の役割が分かっても、読み方が分からなければつまづいてしまいます。

次の項から決算書に書かれている記号を紹介するので、ご確認ください。

黒三角(▲)と白三角(△)は赤字を表す

決算書に書かれている黒▲の記号は一見上を向いて見えるので、プラスをイメージしてしまいます。

ところがこの記号はマイナスを表しているので、営業利益が赤字であることを指しています

決算書に利用される記号には、同じ黒の三角形で白塗りの△もありますが、どちらもマイナスを表すものです。

つまり△50,000は50,000分マイナスを指しています。


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黒三角(▲)と白三角(△)に違いはある?


黒三角(▲)と白三角(△)は似て非なるものなので、使い方の決まりを確認したい人もいると思います。

明確な違いはない

黒三角(▲)と白三角(△)はどちらもマイナスを表す記号です。

そのため両者の記号は「どちらを使わなければならない」と決められているものではありません。

黒三角(▲)や白三角(△)はエクセルで表示できる?

エクセルでも黒三角(▲)や白三角(△)を出す方法があります。

エクセルで黒三角(▲)や白三角(△)を出すやり方

 

    1. 白三角(△)を表示したいセルを範囲選択する

 

    1. セルを右クリックしてセルの書式設定を出す

 

    1. 分類の選択肢から数値をクリックする

 

    1. 小数点以下の桁数は「桁区切り( , )を使用する」のチェックボックスにチェック

 

    1. 負の数の表示形式のテキストボックスから▲1,234を選択する

 

上記の手順でエクセルを操作したあと、手順1で範囲選択したセルに-をつけて数字を入れると記号がつきます。

決算書の表記に合わせて白三角(△)を使用する会計システムや書類があります。

また前述の通りエクセルでも表示できることから、業務で白三角(△)を用いる場合もあるでしょう。

マイナスを三角の記号で表すようになった経緯

黒三角(▲)と白三角(△)両者の違いを説明すると、経理の歴史の話になります。

はじまりは偽装防止のため?

もともと赤字は横一直線の棒「-」で表現されていましたが、これだといとも簡単に偽装されてしまうのです。

横一直線の棒は数字の一とにていますし、もう一本線を付け足して二にすることもできます。

そのため大正時代に税務署が、偽造防止のために△を使うように指導したのです。

マイナスの金額を三角で表現するようになった理由は、ほかにもさまざまな説があります。

ギリシャ文字のΔ(デルタ)に由来する説や、微分と同じ差分という意味で使用していた説があるのです。

白三角(△)は日本独自の記号なので、海外の関係者に見せたときは理解してもらえないかもしれません

決算書の歴史は、15世紀の半ばから17世紀の半ばまでさかのぼります。

会計の歴史は株式会社の歴史でもあるのです

そのように考えると大正時代とはいえ、現在の決算書の形ができあがったのは最近のことだということが分かります。


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決算書などで使われる記号の意味を解説

決算書などで使われる記号には種類があるので、見慣れないものがあると思います。

括弧()表記について

()は欧米の企業で頻繁に使用される記号です。

黒三角(▲)とは異なり、私たち日本人はこの記号を見たときにネガティブな印象を持ちません。

マイナス50,000のときは(50,000)と表すので、見慣れないためにマイナスを表していると分からない人も多くいます。

マイナス「-」表記について

会計業務をしない人にも広く知れ渡っているのがマイナス「-」です。

会計業務をはじめたばかりの人にもなじみやすい記号です。

ほとんど同じ見た目をした漢字のイチ「一」は頻繁に登場するので、表記する際は注意してください。

とくに数字をたくさん扱う会計業務では、計算ミスに気をつけましょう。

株価について

株価では決算書の表記とはルールが異なるうえに、掲載される媒体ごとに少しずつ違います。

新聞では、プラスは上向きの白三角△、マイナスは下向きの黒三角(▼)で表します。

Webサイトでは、プラスは上向きの赤三角(▲)、マイナスは下向きの青三角(▼)です。

いろいろな媒体を見比べて、チェックしてみてはいかがでしょうか。

まとめ

決算書に書かれている記号の意味をしっかりと考えようとすると、決算の歴史まで遡ります。

会計で出てくる記号は黒三角(▲)や白三角(△)だけではないので、この機会に一緒に覚えてはいかがでしょうか。

今回紹介した記号は会計の基礎なので、覚えておくといいでしょう。

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