商取引を行っていると過入金に遭遇することがあります。
過入金は処理を誤ると大事に発展する可能性もあるので注意が必要です。
売上金管理のミスを防ぐ方法についても紹介しています。
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Contents
なぜ過入金が発生するのか?よくある事例
経理にとっては厄介な過入金ですが、なぜ発生するのでしょうか。
よくある事例をご紹介します。
キャンペーン期間中で特別価格を設定していた
キャンペーン期間中だけ特別価格を設定していると、通常価格に戻した際に間違いが生じることがあります。
キャンペーン期間中の価格で請求、あるいは入金するところを通常価格で行うと過入金が発生します。
特別価格を設定する際にはこうした事が起きないように留意する必要があります。
価格改定が周知されていなかった
営業戦略の一環で価格を改定することはよくあります。
この際、大事なことは社内で情報を共有化しておくことです。
価格改定が周知されていないと、過請求による過入金が発生してしまいます。
取引先やユーザーに迷惑をかけることになるので、十分注意するようにしてください。
もし、このような事態が頻発すると会社の信用が損なわれるでしょう。
請求もしくは入金する際に人為的ミスが起きた
請求側で過請求をしてしまうと入金側はその請求額をそのまま入金してしまいます。
逆に請求側が適切な請求をしても入金側が多く入金してしまうこともあります。
いずれも人為的ミスによるものですが、気づいた側から早急に相手側に連絡を取る必要があります。
そのまま見過ごしてしまうと経理処理上厄介な事態が生じる恐れがあります。
売上代金が多いときの対応はおもに3つ
売上代金が多い過入金が発生した際の対応は、おもに3つ挙げられます。
それぞれ解説します。
まずは取引先と相談する
過入金に気がついたら早急に取引先と相談するようにしましょう。
そして返金するか次月以降の支払いに充当して相殺にするか決めます。
間違ってもそのまま受け取ってはいけません。
信用をなくすのはもちろんですが、そもそも過入金は売上に入れられないからです。お金のやり取りで間違いが起きた場合は直ちに連絡を取ることです。
返金する場合
過入金分を返金する場合は「仮受金」として処理することになります。
これは過入金は不明瞭な入金として扱われるためです。そして口座を通じて返金することになりますが、この際には振込手数料が発生します。
一般的には過入金をした側が振込手数料を負担することになるので、返金する側はこのことを伝えておいた方がいいでしょう。
次月の支払いに持ち越す場合
過入金分を次月以降の支払いに持ち越す場合には、事前に商品の金額の一部を受け取ることになるので、「前受金」として処理することになります。
そして次月以降の請求の際には売掛金から前受金を差し引いた金額を記入します。
先方には次月請求書発行時に差し引いて請求する旨を連絡しておくといいでしょう。
過入金分の勘定科目は「売上」ではなく「仮受金」になる
会社への入金は単純に売上ばかりではありません。
勘定科目には「預り金」「前受金」「仮受金」「預け金」などがあり、それぞれ処理の仕方が違います。
過入金分の勘定科目は「売上」ではなく「仮受金」になるわけですが、混同しやすいこれらの勘定科目について解説します。
預り金について
「預り金」とは本来第三者に支払うべき金銭を会社が一時的に預かることを指します。
代表的なものには社員の給与から天引きされる源泉所得税や、厚生年金保険料や健康保険料がこれに当たります。
源泉所得税は税務署に納付しなければなりませんし、厚生年金保険料は厚生年金基金へ、健康保険料は健康保険組合へ納付しなければなりません。
前受金について
「前受金」とは商品の引き渡しの前に、その商品の金額の一部または全額を事前に受け取ることを指します。
前受金として処理をした後、商品を引き渡したら売上高として処理することになります。
仮受金について
「仮受金」とは過入金など不明瞭な入金があった場合に、入金理由が判明するまで一時的に使われる科目です。
そのため、入金理由が判明したらそれに基づいて他の科目に振り替える必要があります。
あくまでも仮に入金された金銭という扱いですから、確定したら本来の科目に入れるわけです。
預け金について
「預け金」とは会社が他者に対して金銭を預けることを指します。
一時的なものですから返還されることが大前提となります。対象となるのは役員や社員、取引先や金融機関などです。
「預り金」と混同されがちですが、「預け金」は返還が前提であり、「預り金」は返還されないという違いがあります。
売上金管理のミスを防ぐ3つの方法
売上金管理のミスを防ぐには3つ方法があります。
順に解説していきます。
会計ソフトを導入する
会計ソフトとは収支など会社の金銭の動きを管理し、それらを集計して決算書まで繋げるシステムのことです。
帳簿で管理を行う場合は簿記の知識を持った社員の存在が必要不可欠でした。
しかも手作業で業務を行うことから人為的ミスも皆無とは行きません。
しかし会計ソフトを導入すれば、システム上で勘定科目の仕訳や集計が行えるので、会計業務の負担が大幅に減ることになります。
経理をアウトソーシング化する
会計や経理をアウトソーシング化するという方法もあります。
メリットとしては社内に経理の人員を置く必要や、会計ソフトを導入する必要もなくなるため、コストカットが図れることです。
デメリットとしては社内の人材が育たないことや、情報が外部に流出する恐れがあること。会社の規模が大きくなると逆にコストがかかるようになることでしょう。
会社がスタートして間もなく規模が小さいうちはいいかも知れませんが、ある程度の規模にまで育ったら社内で処理するといいでしょう。
RPAやシステムを導入する
RPAとはロボティック・プロセス・オートメーションの略称です。
デスクワークをソフトが代行するという概念で、データの入力や出力、チェックなどのルーチンワークを自動化することができます。
ただしRPAはイレギュラーな事態に対応するのは苦手としています。
まとめ
過入金はあまりないですが、誤った対応をしてしまうと大きなトラブルに発展してしまう可能性があります。
正しい処理方法を覚えてトラブルを未然に防ぎましょう。
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