米国の大手自動車メーカーのフォード社が、AIや機械学習を生産ラインに組み込むことを検討しています。自動車メーカーの中では初めて、これらの最新テクノロジーを使うことになるかもしれません。
100年以上前に創業された歴史あるフォード社は、過去にも生産ラインの機械化で自動車の価格を下げ、世の中への普及に貢献するなど、パイオニアとしての実績があります。今回は、革新的な企業であるフォード社が次に目をつけたAI技術や機械学習の活用についてご紹介します。
最新技術の導入に積極的なフォード社
フォード社では20以上前から最新技術について研究してきており、15年ほど前には車の欠陥を見つけるニューラルネットワークのシステムを開発しました。
また、AIを使うと中古車の管理も可能です。新車のときから現在まで、誰が保有していて車がどんな状態なのか、また過去にどんな値段で売買されてきたかを登録しておくのです。このシステムには「Car Story」という名前がついており、車のディーラーが中古車の状態を簡単に把握するために使われます。
フォード社のAIによる運転サポート
2019年、フォード社はAIを搭載した四輪駆動車という新しい自動車を作ろうとしています。二輪と四輪の駆動を自動的に切り替えるなど、AIを使うことによって人間よりも速いスピードで運転操作を判断してくれるのです。
AIのアプリケーションはモニターを介してドライバーと会話する仕組みになっているので、運転に対してのアドバイスを受けることもできます。燃費を良くしたり、座り心地のよいシートの位置を調整してくれたり、多くの機能でドライバーをサポートするシステムとなっています。
「Argo AI」への投資
フォード社は最新テクノロジーの活用に積極的な企業ですが、AIは自社で開発しているわけではありません。10億ドル以上の資金を「Argo AI」というAI開発専門の企業に投資し、開発を支援しているのです。
「Argo AI」はフォード社からの資金提供によってドライバーが不要な自動運転技術の開発を迅速に進めることができ、Win-Winの関係となっています。
まとめ
フォード社はAIを活用して自動車の性能を上げることに取り組んでいます。しかし、技術は自社開発ではなく、外部のテクノロジーを専門とする企業への投資によって実現しています。
AIや機械学習の技術は日進月歩で進んでおり、他業界の企業が自社開発をするのは難しくなってきています。専門の企業に依頼し、製品の品質を向上させていく例が増えていくでしょう。
英文参考リンク
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